Labeling台湾PIFガイド
台湾の化粧品表示ルールと、
中国語ラベルの準備

台湾で販売する化粧品には、「化粧品衛生安全管理法」第7条にもとづく中国語(繁体字)の表示が必要です。輸入品の表示には台湾の輸入業者の名称・住所・電話番号を記載し、全成分、使用上の注意、製造日と使用期限などを、販売や陳列の前にそろえておきます。日本の外装に中国語ラベルを貼る方法も認められていますが、貼付作業は「包装作業」に当たり、作業場所にはGMPへの適合が求められます。
表示の基本ルール
- 根拠:化粧品衛生安全管理法第7条と、衛生福利部の「化粧品外包裝、容器、標籤或仿單之標示規定」(以下、標示規定。2019年5月30日公告、2021年7月1日施行)です。
- 言語:中国語または国際的に通用する記号で表示します。全成分だけは英語でも構いません(第7条第2項)。TFDAの「化粧品標示法規暨問答集」は、繁体字で表示するものとしており、簡体字は使えません。
- 表示する事業者:輸入品には、台湾の輸入業者の名称・住所・電話番号を表示します。日本の製造販売元や製造所の記載は任意です。
- 期限:通関の時点で表示が完成している必要はありません。供給・販売・贈与・公開陳列・試用提供の前に完成させます。サンプルやテスター、ノベルティも同じです。
- 違反した場合:販売できなくなり(第16条)、輸入業者による回収の対象になります(第17条)。過料はNT$1万〜100万で、違反のたびに科すことができます(第23条第1項第7号)。販売店が表示を変えて売ることも禁止です(第7条第5項)。
必須10項目のチェックリスト
| No. | 項目 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 品名品名 | 製品の本質に合った名称。製品登録の品名と一致させます。 |
| 2 | 用途用途 | シャンプーなど用途が明らかな製品でも省略できません。 |
| 3 | 用法・保存方法用法及保存方法 | 決まった文言はなく、製品に合わせて具体的に書きます。 |
| 4 | 内容量淨重、容量或數量 | g、mLなどの単位記号を使えます。固形は重量、液体は容量が基本です。 |
| 5 | 全成分全成分名稱 | 英語表記も可。書き方は次の節で説明します。 |
| 6 | 使用上の注意使用注意事項 | すべての製品で必須です。製品登録の内容と一致させます。 |
| 7 | 輸入業者の名称・住所・電話番号、原産地輸入業者之名稱、地址及電話號碼;原產地(國) | 住所は会社登記・商業登記上の住所。電話番号は市外局番から(または携帯電話番号で)書きます。原産地は「日本」などと表示します。 |
| 8 | 製造日・有効期間・使用期限製造日期、有效期間、保存期限 | 3通りの組み合わせから選びます(後述)。 |
| 9 | ロット番号批號 | 外箱の外から読める位置に表示します。 |
| 10 | その他の公告事項其他經中央主管機關公告應標示事項 | 台湾で充填した輸入品の「臺灣分裝」、一部の成分の注意文言など。 |
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品名と使用上の注意は、製品登録の内容と一致させます。成分名が登録と表示で異なると、抜き取り検査で表示不一致を疑われることがあります(TFDA製品登録Q&A)。登録の手順は製品登録とPIFの違いをご覧ください。
全成分の書き方
- 成分名は、INCI名、または中華薬典・米国薬局方・欧州薬局方などの公定書の名称にもとづき、中国語または英語で表示します(標示規定第5点)。日本の外装にあるカタカナの成分名は、そのままでは使えません。
- 配合量の多い順に並べます。ただし、配合量1%以下の成分と、メイク製品の色素は、1%を超える成分の後ろに順不同で並べられます(第8点)。
- 色素はCI番号でも表示できます(第6点)。色違いのシリーズは、「+/-」「may contain」「可能加入之色素」を使ってまとめて表示できます(第9点)。
- 香料は「香料」「Fragrance」「Parfum」などの総称で表示できます(第7点)。ただし2025年1月21日、特定の香料成分24種を一定濃度(洗い流す製品は0.01%、洗い流さない製品は0.001%)を超えて含む場合に個別名で表示させる草案が予告されています。正式公告の1年後に施行する案なので、最新の公告を確認してください。
- 複数の成分からなる原料は、構成成分に展開します。最終製品に残らない溶剤や機能のない不純物は省略できますが、根拠を説明できるようにしておきます。
- 各成分の配合量(%)を表示する必要はありません。
日本の外箱に英語(INCI名)の全成分が印刷されていて、台湾の規定に合い、消費者が直接読める位置にあれば、中国語ラベルで繰り返す必要はありません。
製造日・使用期限・ロット番号
期日の表示は、次の3通りのどれかです。「有効期間」は期間(例:3年)、「保存期限」は使用期限の日付を指します。
- 製造日+有効期間
- 製造日+保存期限
- 有効期間+保存期限
日付は年月日で表示します。製造日と保存期限は年月だけでもよく、その場合はその月の末日を意味します。表示は刻印、または消えないインクによる印刷・印字で行います(標示規定第10点)。
期限は、製造元が原料・製造工程・安定性試験などにもとづいて設定します。台湾でラベルを貼る場合も、輸入業者は製造元が設定した日付をそのまま記載します。ロット番号は、外箱の外から確認できるように表示し、「内容器参照」とすることはできません。
文字サイズと小さな容器
| 内容量 | 文字の高さと幅(いずれも) |
|---|---|
| 300 g(mL)以下 | 1.2 mm以上 |
| 300 g(mL)超、800 g(mL)以下 | 1.6 mm以上 |
| 800 g(mL)超 | 2.0 mm以上 |
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- 外箱と容器がある場合:外箱にすべての項目を表示すれば、容器は中国語または外国語の品名だけでも構いません(第2点)。
- 最大表面積が40 cm²未満の場合:外装・容器・ラベルに少なくとも品名、用途、輸入業者の名称、期日を表示すれば、残りはタグ・カード・説明書などに記載できます(第4点)。最大表面積は、最も大きい1面の面積です(円柱形は高さ×円周)。
- 全成分が外装に収まらない場合は、はがして読む多層ラベルで表示する方法が認められています。外箱の内側への印刷や、QRコードだけでの表示はできません。
日本の外装で見落としやすい点
- 使用期限:日本の薬機法で使用期限の記載が必要なのは、厚生労働大臣が指定する化粧品に限られます(第61条第5号)。そのため、日本向けの外装には使用期限や製造日がない製品も多くあります。台湾向けには、ロットごとの製造日などを製造元から入手しておきます。
- 「薬用」の表示:日本で医薬部外品として外装に「薬用」などと表示している製品を、台湾で化粧品として販売する場合は、「本產品屬化粧品,不具醫療效能。」(本製品は化粧品であり、医療効能はありません)と追加で表示します(衛生福利部 2019年6月27日 衛授食字第1081605206號公告、2021年7月1日施行)。
- 効能の表現:表示も虚偽・誇大と医療効能の禁止の対象です(第10条)。TFDAの問答集は「育毛、発毛促進、抜け毛予防」といった表現を化粧品に使うべきではないとしています。日本の医薬部外品の効能表現が、そのまま使えるとは限りません。
- 成分ごとの注意文言:「化粧品成分使用限制表」で注意文言が決められた成分があります。たとえばメントールやカンフルは、2歳以下が使う可能性のある洗い流さない製品で、医師・薬剤師への相談を促す文言が必要です。
台湾での中国語ラベル貼付
日本の外装に中国語ラベルを貼る方法は認められています。ラベルは、はがれにくく、貼り替えにくいものを使います。誤った表示を訂正する場合は、元の表示が見えないように覆います。また、期日をラベルで表示する場合は、すべての表示項目を同じ1枚のラベルに印刷・印字し、複数のラベルに分けることはできません(標示規定第11点)。
注意したいのは、ラベルを貼る場所です。「化粧品優良製造準則」(GMP)は、包装作業を「半製品を充填・分装・表示して製品にする工程」と定義し(第2条第22号)、施行細則第4条は、製造または包装作業を行う場所を製造場所としています。TFDAは、輸入化粧品に中国語表示を加える作業場所も製造場所に当たるとしています。
- 作業場所は「化粧品製造工廠設廠標準」に適合する必要があります。包装作業だけを行う場所は、工場登録が免除されます(他の生産活動も行う場合は、地方の工業主管機関に確認します)。
- GMPへの適合は段階的に義務化され、2026年7月1日からは、工場登録が免除される固形手作り石けんを除くすべての化粧品の製造場所が対象です(衛生福利部 2024年6月28日 衛授食字第1131103147號公告)。TFDAは「化粧品加中文標示作業場所GMP查檢表」(2020年6月22日)を公表しています。
- 製品登録では、製造作業場所と包装作業場所(充填・分装、表示)を分けて登録します。ラベル貼付を行う倉庫なども登録の対象です。
- TFDAのGMP Q&Aは、ラベルの使用判定(放行)を貼付作業者から独立した品質担当者が行うこと、貼付区域と倉庫を区分することを求めています。製品の保存サンプルは不要ですが、ラベル見本と追跡用の記録の保存が推奨されています。
- 表示が完成した製品をギフトセットに組み合わせるだけの場所は、製造場所に当たりません(施行細則第4条第2項)。
台湾でラベルを貼っても、原産地は日本のままです(進口貨物原產地認定標準第7条第3項第2号)。バルクを輸入して台湾で充填する場合は、「臺灣分裝」の表示を加えます(衛生福利部 2019年5月30日 衛授食字第1081603424號公告)。
日本側で準備する情報
- INCI名の全成分リスト(配合順で、1%の境目が分かるもの)
- ロット番号の読み方と、ロットごとの製造日・使用期限(または有効期間)とその根拠
- 用法・保存方法・使用上の注意の原文(中国語訳のもと)
- 医薬部外品かどうかと、外装の「薬用」表示の有無
- 外箱・容器の寸法(文字サイズと最大表面積の確認用)
完成した中国語表示は、PIFの第4項「ラベル・添付文書・外箱または容器」にも綴じ込みます。PIFの全体像は16項目と必要書類、製品登録・GMP・成分規制を含む全体像は台湾への化粧品輸出と規制の全体像をご覧ください。
出典
- 化粧品衛生安全管理法 第7条・第10条・第16条・第17条・第23条(全國法規資料庫)
- 化粧品衛生安全管理法施行細則 第3条・第4条(全國法規資料庫)
- 衛生福利部公告「化粧品外包裝、容器、標籤或仿單之標示規定」衛授食字第1081603869號(2019年5月30日)
- TFDA「化粧品標示法規暨問答集」(2022年12月)
- 衛生福利部公告「外包裝或容器刊載『薬用』…之輸入化粧品,應加刊標示詞句」衛授食字第1081605206號(2019年6月27日)
- 衛生福利部公告「國內分裝之輸入化粧品,其外包裝或容器應加刊標示臺灣分裝之詞句」衛授食字第1081603424號(2019年5月30日)
- 衛生福利部「預告『化粧品應標示特定香精或香料成分』草案暨修正標示規定第七點草案」(2025年1月21日)
- 衛生福利部公告「化粧品成分使用限制表」衛授食字第1131602014號(2024年7月1日施行)
- 化粧品優良製造準則 第2条(全國法規資料庫)
- 衛生福利部公告「化粧品製造場所應符合化粧品優良製造準則之化粧品種類」衛授食字第1131103147號(2024年6月28日)
- TFDA「化粧品加中文標示作業場所GMP查檢表」FDA品字第1091103683號函(2020年6月22日)
- TFDA 化粧品GMP常見問題「輸入化粧品加貼中文標示作業場所」ほか関連Q&A
- TFDA「化粧品產品登錄常見問題Q&A」(2026年8月7日版)
- 進口貨物原產地認定標準 第7条(全國法規資料庫)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第61条(e-Gov法令検索)
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の案件に対する法的助言ではありません。法令の解釈・運用は変更されることがあります。